ベティス・レジェンド | トニ・プラッツ

ベティスに9年間在籍した守護神はフリーキックから2得点を挙げています。

アントニオ・プラッツは間違いなく、レアル・ベティスの歴史上最も偉大なゴールキーパーの一人です。9シーズンに渡ってゴールを守った守護神は数々のファインセーブで人々の記憶に刻まれているだけでなく、フリーキックから得点を決めたスペインサッカー史の中でも稀有な存在として知られています。

1971年9月9日にバレアレス諸島のカプダペラで生まれたアントニオ・プラッツ・セルベラは、RCDマジョルカの下部組織で成長し20歳の時にプリメーラデビュー。1995/96シーズンにはセルタ・デ・ビーゴへ移籍しました。

そしてその1年後、1996年の夏に4億ペセタ以上の移籍金でレアル・ベティスに加入。これはロレンソ・セラ監督が25歳のゴールキーパーを高く評価し実現した結果であり、プラッツはその後期待に応える活躍を見せました。
1996年9月1日にホームのアスレティック・ビルバオ戦でベティスデビューを果たして3-0の勝利に貢献すると、ローテーションのため出場しなかったカップ戦を除いてチームのゴールを守り続けました。

1999/20シーズンにはプラッツはフリーキックで一度ならず二度までもフリーキックでゴールを決め、クラブの歴史にユニークな一ページを加えました。まずは1999年の10月17日に行われたアトレティコ・マドリード戦、そして2000年1月26日のレアル・マドリード戦。後者の相手ゴールキーパーはイケル・カシージャスでした。

2004年4月25日もプラッツのキャリアの中で特別な日です。ベニート・ビジャマリンで行われたレアル・ソシエダ戦で2本のPKをストップしたのです。

しかし長く守護神として君臨した後の2004/05シーズンのレアル・マドリード戦で、ジネディーヌ・ジダンと接触し膝を負傷。長期離脱を強いられ、ベティスがチャンピオンズリーグ出場を決めた古巣RCDマジョルカ戦がベティスでのラストゲームとなりました。

9年間の在籍で公式戦311試合に出場(リーグ282試合、カップ戦12試合、カップウィナーズカップ6試合、UEFAカップ11試合)、前述の2得点を決めています。

2005年7月にRCDマジョルカに復帰したプラッツは、その2年後にエルクレスに移籍し2008年3月に現役引退を発表しました。

ベティスで一時代を築いたプラッツは、欧州カップ戦に出場するなど充実した日々を送ったチームをその俊敏性と頼りになるセービングで後方から支える大きな存在でした。